機能的な部屋を連続させた回遊動線の家
両親、兄弟とともに過ごした実家の隣に、122.72坪という比較的大きな敷地を購入しての住宅新築計画である。4人家族の住まいを計画するにあたって、122.72坪という敷地は十分すぎる大きさで、敷地面積による制約はほとんどないため、1FにLDKと水回り、2Fに個室という一般的なレイアウトを選択した。共働きのご夫婦は帰宅後のタイムパフォーマンスが重要で、キッチンを中心とした機能的な家事動線を強く希望していた。そこで我々は、LDK→パントリー→家事室→ファミリークローク→ホール→LDKと、ぐるりと一周回遊できる間取りを提案した。機能的な動線の他、LDKは4m程度吹抜けており開放的で明るく、またダイニングのベンチを兼ねたTV台には遊び心がある。クライアントに実家への良い思い出がある様に、この家で過ごした子供たちも、いつか両親の近くで暮らしたいと思ってくれるのではないだろうか。
- Theme 胎内市の住宅
- Category 住宅
- Location 新潟県胎内市
- Floor 3LDK
- Structure 木造2階建
- Total area 111.52㎡

マンションリノベ Vintage-04
時を重ねた住まいに、これからの暮らしをデザインする。 川や中心街の街並みが望める築約50年のヴィンテージマンションをフルリノベーション。今回の設計で大切にしたのは、既存の建物が持つ素材感の表現や空間の個性を活かしながら、家族それぞれの暮らし方に応える住まいへと再構築すること。家族が集うLDKを中心に、家族それぞれの個室を確保しながら、仕事と暮らしが自然に共存できる間取りを計画しました。ブラック塗装した木フレームとガラスで構成した間仕切りは、空間を区切りながらも視線や光の抜けを確保。さらに、造作のキッチンカウンターとの高さラインを合わせ、空間のシンプルさを強調しています。個々の居場所をつくりながら、住まい全体に一体感をもたらします。今回はマンション最上階であったため、断熱材の関係でクライアントの要望であった「躯体表し」をモルタル仕上げにし、コンクリートの無機質な表情に近づけ、床材には落ち着いたグレートーンを重ね、空間のカラーバランスを調整しています。また、間接照明による光の広がりや、天井の高低差を活かした照明計画によって、時間帯や過ごし方によって表情を変える空間にしています。新しくすることだけがリノベーションの目的ではありません。築古にネガティブになるよりも、物件が持つ立地などのポテンシャルそのものの価値を見つめ直し、今の暮らしに必要な機能と、新たな空間の魅力を重ねていく。時を重ねた建物だからこそ生まれる個性を、これからの暮らしの価値へとつなぐ住まいです。 施工事例ポイント 01| 築約50年のヴィンテージマンションの角戸一室を再生 古いマンションを一新するだけでなく、既存躯体や素材が持つ表情を設計の一部として取込み、時間の蓄積を空間の魅力へと転換。 [https://storage.googleapis.com/p_62e882a5ddd6e2dd4a7ea490/0e6bc5cc-8c24-4026-9939-0288ff2dd24c/REEL20260523_067DP_web.jpg] 02| 家族の個室とワークスタイルを両立する間取り 家族が集まる場所と、それぞれが集中できる場所を両立。ガラスを組み合わせた間仕切りによって、空間を分けながらも閉塞感を抑えています。 [https://storage.googleapis.com/p_62e882a5ddd6e2dd4a7ea490/125cad37-09a2-4e0d-8756-c0d35cdf4dec/REEL20260523_007DP_web.jpg] 03| 光と陰影で空間の質を高める照明計画 間接照明等で壁面や天井に光を広げ、直接テラスだけでは得られない奥行と落ち着きを演出。素材の質感を引き立て、空間全体の雰囲気を整えています。 [https://storage.googleapis.com/p_62e882a5ddd6e2dd4a7ea490/842483de-e63a-456b-bb83-027df921e220/REEL20260523_133DP1_web.jpg] [https://storage.googleapis.com/p_62e882a5ddd6e2dd4a7ea490/0ec0ec80-4159-49a6-ba6c-0f90ca5f78f5/REEL20260523_073_MDP_web.jpg]
House - 2026.10.17View More
Organic super market SunSan
「優しさの循環」を空間に編み込むーSunSanという“場”の設計 地方都市の一角、広い駐車場の奥に水平に伸びる低層の建築が現れる。控えでありながらも、どこか引力のある佇まい。外観は過度な主張を避け、木の外装と連続する開口によって、街に対して静かに開かれている。ここは、オーガニック食材を扱うスーパーマーケット「SunSan」である。今回、物件探しから建築設計施工までお手伝いさせていただきました。 本計画において設計の起点とんったのは、いわゆる商業施設としての効率や回遊性はもちろん、オーナーが掲げた明確なパーパスだった。―「お母さんを元気にすることで、家庭を幸せにする」。この言葉は特定の役割を果たすものではなく、日々を支え、誰かのために動き続けるすべての人への眼差しにもとれる。設計は、この“見えない主語”にどう寄り添うかという問いから始まった。 店内に入るとまず感じるのは、空間全体に行き渡る柔らかな光と素材の温度である。天井に沿って仕込まれた間接照明と、リズミカルに配置された小さなペンダントライトは、均質な明るさではなく、「陰影」をつくり出す。これは単なる演出ではなく、日常の延長にありながらも、ほんの少しだけ非日常へと感覚をずらすための装置である。什器は過度に規格化せず、木の質感を活かした造作とすることで商品一つひとつに手の痕跡を感じさせるスケールへと引き寄せた。籠に盛られた食材や手書きのプライスカードは、「一手間」を惜しまない姿勢の象徴であり、空間そのものがオーナーはじめ、ここで働くスタッフさん達の誠実さを語るメディアとなっている。また、売場の奥に設けられたカフェスペースは、この施設のもう一つの核である。長く連なる木の壁面と低く抑えられた照明計画により、外部の喧騒から切り離された穏やかな時間が流れる。ここでは、買い物という行為が目的ではなくなり、「自分を満たす」ための滞在へと意味が変わる。買うための場所から、整うための場所へ。—その転換こそが本計画の本質と言える。構造的にも特徴的なのは、等間隔に現れる木柱の存在です。これは単なる支持体ではなく、空間にリズムと人のスケールを与える措置として機能している。広がりすぎない安心感と、視線の抜けによる開放性。そのバランスが、「気軽に来られるが、どこか特別」という感覚を生み出している。「SunSan」という名称に込められた、“太陽=母”というイメージもまた、建築的に丁寧に読み替えられている。さんさんと降り注ぐ光のように、強すぎず、しかし確実に空間を包み込む光環境。訪れた人が自然と肩の力を抜き、誰かに優しくなれるような空気感は、意匠ではなく環境として設計されている。商業施設において「売ること」は前提である。しかし本計画では、その手前にある「どう在るか」が徹底して問われている。スタッフが心地よく働けること、その状態がそのまま接客ににじみ出ること、そして訪れたお客様が来店時よりも少し元気になって退店していくこと。建築はその連鎖を支える“器”として、過不足なく、しかし確かな意思をもって存在している。
Shop / Office - 2026.05.01View More
マンションリノベ Vintage-03
新潟市中心部という利便性に富む立地にありながら、相対的に災害リスクの低い高台に構える築40年以上のヴィンテージマンション。本作「Vintage03」は、その一室を舞台としたスケルトンリノベーションである。改修前の間取りは3LDK。二間続きの和室が象徴するように、昭和期の住まいの名残が色濃く漂っていた。だが、スケルトンリノベーションの醍醐味は既存間取りからの解放にある。本計画では個室を最大限にとどめ、余白となった空間をシューズクローゼット、ウォークインクローゼット、食品庫など、現代生活に不可欠な機能へと再配分した。さらに浴室・トイレを除く全室を引戸によって連続させることで、回遊性と多方向への動線が確保され、住まい手の時間的ストレスを解消している点も特筆に値する。また「Vintage」シリーズに通底する姿勢として、築40余年の年月が刻んだマテリアルの風合いをデザインの中に積極的に取り組んでいる。過度な演出を排した普遍的で上質なインテリアは、既存部材の穏やかなエイジングと歩調を合わせ、今後さらに時間とともに美しく育っていくに違いない。そして、この住まいを象徴するのが、購入の決め手となったという眺望だ。LDKに埋め込まれたヌックからは、新潟市の多層的な表情を凝縮したような景色が広がり、外の景色と内側のインテリアが互いに変化し合いながら、日々異なる物語を紡いでいく。ヴィンテージマンションが持つ時間の深みと、現代的な空間設計が見事に調和した、成熟した都市居住の新たな一形態といえるだろう。
House - 2025.11.26View More

















