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Case Study

八海山麓の家

既存の架構が持つ経年美化を最大限活用したスケルトンリノベーション

新潟県南魚沼市「八海山」の麓に建つ、築25年が経過した農作業小屋を住居へリノベーションしたプロジェクト。断熱改修や耐震改修を施しつつもコストは新築比75%を達成。

2022 Renovation/House Scroll

課題背景

The Challenge

築25年が経過した農作業小屋。同じ敷地内には両親の住む実家があり、近くに八海山が望める。4人家族のクライアントは、農作業小屋の2階を改修し10年余り生活をしていたが、子供たちの成長に伴い空間が手狭になっていた。しかも農作業用に作られた小屋は、断熱性能や耐震性能も住居としては不十分だった。一時は新築も検討したクライアント。しかしコスト面のデメリットや、まだ使用できる農作業小屋を活用しない事に違和感があり躊躇していた。

解決策

The Solution

農作業用に作られた小屋は間仕切りの無い広々としたつくりで、大きな梁も経年変化で美しくエイジングしていた。そこで、間仕切りの無い可変性に富んだ空間と、経過で味わいを増した材料を活用するスケルトンリノベーションを提案した。クライアントの暮らしのイメージを読み解きながら1、2階とも既存の梁のリズムを損なわないよう丁寧に間取りを決定し、時間が材料に刻み込んだ味わいをデザインに落とし込むよう努めた。また、断熱材やサッシは最新の建材に置換することで断熱気密性能を向上させ、同時に耐力壁を増やすことで耐震性能も大幅に向上させている。

結果

The Result

経年美化した架構をデザインに落とし込んだことで、新築では達成できない「ヴィンテージな空間」を実現し、また1階にも居住スペースを拡張したことで、各室十分な広さを確保できた。新築と遜色のない性能を達成しつつも、コストは新築比75%程度に抑えることができ、家族のこれからの暮らしにもゆとりが生まれるだろう。無駄で不必要な新築を抑制し、まだ使えるものを丁寧に使い続ける。これからの時代に即した住まいの好例が作れたのではないか。

プロジェクト概要

Data&Credit
Data
  • Year 2022年6月~2022年10月
  • Location 新潟県南魚沼市
  • Category スケルトンリノベーション住宅
  • Structure 木造
  • Total area 146.56㎡
Credit
  • Role 設計・施工
  • Staff 弦巻大輔/岩野利哉

新潟市中央区の空きテナントリノベーションプロジェクト。隠ぺいされ、長年その魅力を封印していた鉄骨造の架構。これを表出させることで、デザインに力強くストイックな雰囲気を付与し、凡庸でない魅力的な店舗空間を創造。FIATやAlfa Romeoの販売を手掛けるアレーゼ新潟運営するイタリア専門ショップ、Casa mia(カーサ・ミア)が出店。

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