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Case Study

Casa mia

鉄骨の構造美を空間表現に活用する

新潟市中央区の空きテナントリノベーションプロジェクト。隠ぺいされ、長年その魅力を封印していた鉄骨造の架構。これを表出させることで、デザインに力強くストイックな雰囲気を付与し、凡庸でない魅力的な店舗空間を創造。FIATやAlfa Romeoの販売を手掛けるアレーゼ新潟運営するイタリア専門ショップ、Casa mia(カーサ・ミア)が出店。

2021 Show Room / Shop Scroll

課題背景

The Challenge

鉄骨造を採用しながらも、その美しい構造はビニルクロスなどの新建材で覆い隠され、これといった特徴のない凡庸な空き店舗となっていた。また勾配天井により、1階と2階は空間的に連続しているが、開口部がないことで連続性や広がりが感じられず、空間のパフォーマンスが発揮されていない状態だった。

デザインの糸口を発見しにくい凡庸さはテナントの入居を遠ざけ、立地の良さに反して、長期間空き店舗となっていた。またそのことから、付近一帯と比しても賃料の低下を余儀なくされ、収益性は年々低下していた。

解決策

The Solution

鉄骨を覆い隠していた仕上げを撤去し、断熱性能を損なわない程度に鉄骨の架構を表出させた。また架構には黒の塗装を施すことで存在を際立たせ、構造美を空間デザインに落とし込んでいる。勾配天井でつながる2階の部屋には開口部を設け、1階メインフロアとの連続感を作り出し、空間の広がりや来客の期待感を作り出すことに成功している。

内部の仕上げに用いられたのは、モルタルや木材、木毛セメント板などの古典的な素材で、黒い鉄骨とのバランスや相性もよく、新建材では作り出せない古い倉庫のような雰囲気を形成している。

結果

The Result

いくつかの効果的でコストパフォーマンスの高いデザイン操作によって、勾配天井による解放感や、鉄骨の構造的な力強さが表現され、汎用性はありながらも凡庸ではない、多様なテナントを誘致することができる店舗が実現した。

イタリアンクラシックカーやイタリア食材・雑貨を取り扱う「Casa mia(カーサ・ミーア)」の店舗は、空間の魅力、商品の魅力によりさらに引き立てられ、相乗効果を発揮している。

プロジェクト概要

Data&Credit
Data
  • Year 2021年8月 - 2021年10月
  • Location 新潟市中央区
  • Category ショールーム・物販店
  • Structure S造
  • Total area 199.98㎡
Credit
  • Role 設計・施工
  • Staff 弦巻 大輔 / 岩野 利哉

新潟でTシャツプリント事業を展開する「刷屋」の工場リノベーションプロジェクト。鉄骨造のスケルトンと木造のインフィルの融合を目指したプロジェクト。鉄骨と木造、それぞれのメリットデメリットを補い合いながらも、無機質で無骨な素材同士が調和し、てらいのないシンプルな快適ファクトリーを実現。

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